不動岩南面

 

                     岩場概説

 金峰山は鹿児島市内から近いこともあって、最も良く利用されているゲレンデである。1992年、鹿児島山岳会の広瀬政廣氏を中心とするメンバーにより、本格的な開拓が開始され、メインフェイス(黒稜会による不動岩)、モアイ岩(同、地蔵岩)、道端フェイス(同、仁王岩)周辺に数本のラインが引かれた。その後、一時開拓が中断したが、1996年頃より米澤によって再開され、トップロープによる開拓ながら、ルート数100本を越えるまでになった。その後、山本の参加の下、新たなルートの開拓、リードの試みが繰り返された。その結果、岩場を覆っていた灌木、草付き等が除去され、更にステンレスハンガーを持つピンがきっちりと設置されて、初心者でも安心して利用できるゲレンデとなった。難度の高いルートの開拓、トップロープ課題を次々とリード化していった山本の功績は偉大な物がある。
 ルート数は膨大であるが、岩場が各所に散在しているために、一つ一つの岩壁はそう大きなものではな い。主な岩場は、道場の岩場、屏風岩、西展望台の岩場、北峰北壁、観音堂の岩場などに分けられ、その他にも、十数個の岩が登られている。岩質は砂岩だが、近くを花崗岩の岩脈が貫通し、焼き固められたの で、固く締まっていて、普通の砂岩にありがちな表面が剥がれてくるような事はない。
 ほとんどのルートが20 m以内、傾斜が強く岩質も良いので、フリークライミングのゲレンデとして親しまれてきた。一方、三の嶽(北峰)北壁は傾斜が緩いものの、4ピッチの高度差を持っている。この様にあらゆる形の登攀が出来、ゲレンデとして優れている。さらに、600 mの高度に存在するために、真夏でも何とか登ることが出来るという点を上げておこう。
 更に、2000年代に入ると、小山田氏により、ボルダーの開拓が始められ、ボルダリングの場所として全国的に名前が売れた。近頃は、フリークライミングを行う人よりもボルダリングを行う人の方が圧倒的に多くなった。全山に渡って岩塊が点在しているために、まだ、手を付けられていない部分もあって、ルート開拓の余地が残されている。
 鹿児島市谷山より吹上町に向かう県道20号線を直進し、指宿スカイラインの谷山IC 入り口を通過し、県道22号線との分岐点(右側にガソリンスタンドがあるT字の交差点)を左折して「錫山バイパス(こちらが県道20号線)」に入る。道なりに進んで、大坂(だいさか)の交差点(左側に大坂小学校、右側にガソリンスタンドがある)を右折してすぐ先の左側にある木造アーチ橋(金峰2000年橋)を渡る。やがて道幅が狭くなり、カーブが連続するようになる。大坂から10分ほどで、峠に着き、ここに広い駐車場とトイレがある。三の嶽(北峰)の岩場はここに車を止める。道場の岩場に向かうには、西側へ1000 m程下って、道幅が広くなったところに駐車する。一方、観音堂の岩場、矢杖ボルダーに行くには、反対の西側から入る。

 この項は、山本が作成した金峰山の資料を、米澤がアレンジした物である。

 なお、ルート名について、注意事項を述べておきたい。

 金峰山の岩場は、最初に開拓を行った鹿児島山岳会の了解を得て、黒稜会によるルート開発が始められ た。その際、記録の引き継ぎが無かったため、既成ルートの名称が分からず、黒稜会によって、それらに仮称が付けられた。黒稜会による多数のルートの開拓、さらに文書による岩場の紹介と共に利用者が増え、各ルートとも、黒稜会が付けた名称が広く利用されるようになった。鹿児島山岳会の記録については、2001年に発刊された同会の会報「岳」に紹介された。ルートの名称は、開拓者のオリジナリティが尊重されなければならないので、鹿児島山岳会が初登したルートは、鹿児島山岳会が付けた名前を使用すべきであろう。以下に、それを紹介する。

 

鹿児島山岳会の名称       黒稜会の名称

メインロック          不動岩

サンセットフェイス       不動岩西面A, B,Cフェイス

道端フェイス          仁王岩

モアイ岩            地蔵岩

メモリアル           オールドマン

チョットtry           仁王岩フェイス中央

モアイハング          注連縄ハング右

サンセットライン1ピッチ目    正面カンテ

サンセットライン2ピッチ目    Bフェイス中央

サンセットライン3ピッチ目   Aフェイス中央         

ワンステップ          仁王岩フェイス右

メインロック右フェイス     猫だまし

 

              ルート解説

 

A . 道場の岩場(不動岩エリア) 

 不動岩とその周辺は、開拓の当初から現在に至るまで金峯山で一番多くのクライマーが集まる人気エリアである。金峯山が修験道の霊場であることから、黒稜会では「道場の岩場」と呼んでいる。数年前に不動岩直下のボルダー群に多数の課題が作られて、鹿児島の内外から訪れるボルダラーで賑わうようになった。ボルダー課題については、既に「金峯山ボルダー図集」が出版されている(問合せ先 リバーサイドウォール鹿児島:電話、099 - 814 - 5054: URL, http://www.rswk.net/)。

 

                

 

a. 不動岩西面

 不動岩の西面は二つのバンドで区切られた三面のフェイス(下からC、B、A)と上部の緩傾斜面からできている。南面との境界はほぼ垂直のカンテになっている。西面に向かって左端から二つのルートは現時点でトップロープ課題である。CフェイスからB、Aフェイスをつなげて登るときは、ロープの流れが悪いのでT1テラスでピッチを区切る。T1テラスからは、岩に向かって左手方向に傾斜したバンドを辿って下降できる。

①チャイナマーブル(5m、5.10a)
 その名の通り、上半はホールドが非常に少ないフェイスを登る。ステップを越えるところが核心。

②剣カンテ(5m、5.10b)
 カンテの左側から取り付き、右の被り気味のフェイスへ出て行く。ホールドはしっかりしているが、腕力 を要する。

③ヌーベークラック(16m、5.9)
 フェイス左側に入るフィンガークラックを辿り、垂壁に突き当たったところで、ハンドクラックを登る。 上部は傾斜が落ち、簡単。

④ハーフスラブ(7m、5.7)
 傾斜の緩いスラブを辿るが、ハンドホールドに乏しいので、意外と悪く感じるかも知れない。

⑤アイビークラック(9m、5.10a)
 取り付きは典型的ハンドクラック。レイバックで登るがクラックの角度に合わせて身体を左右に振る動き が必要。上部では縦のカンテをハンドホールドとしてバランスを微妙に支える動作が出てくる。金峰山に おける5.10aの基準ルート。

⑥不動王(12m、5.12b/c)
 Cフェイスの中央部は開拓を始めた当時の我々の実力ではホールドが全くなさそうに見え、登攀の対象外 であったが、小山田大氏がこのラインをトップロープで試登したという話を聞いた。その後、山本がリー ドに挑み、やっと3年後に完成した。「慈悲」と並ぶ山本の傑作。上部は特にハンドホールドが小さく、 指先の負担が大きい。ルートの左右に並走するカンテ状部分のホールドは使わない。

⑦正面カンテ(28m、5.8)
 出だしの数手が少し悪い。2本目のボルトにクリップする前に落ちるとグラウンドフォールになる。上部 に、強く引くと剥がれそうなフレーク状のホールドがある。鹿児島山岳会は不動岩頂上までのラインとし ているが、T1で終了とすることが多い。その時は、ルート長10mである。

⑧テゲテゲコーナー(12m、5.9)
 正面カンテの右側にある凹角を登って西面のT1に至る。上部で コーナーの角度が浅くなってくるとこ ろの処理が少々難しい。

⑩Bフェイス中央(5m、5.10b)
 元々は、正面カンテから不動岩頂上へ抜けるルート(鹿児島山岳会によるサンセットライン)の2ピッチ 目に当たる。見た目よりも悪く、特に抜け口のホールドが遠くて苦労する。グレードが辛い感じ。

⑪Aフェイス中央(8m、5.9)
 前記ルートの3ピッチ目。ホールドがしっかりしているので問題は無い。


  

 

b.不動岩南面
                                               ・ 南面には5.7から10aまでの比較的易しいルートが並んでいる。一般に下から3分の1くらいの場所の傾斜が強く、核心部もそのあたりである。上部は傾斜が緩く易しくなるが、ボルト間隔が遠いのと、まれに浮き石があるので慎重に。高度差は20m以上あり、途中でビレイを区切ってマルチピッチの練習もできる。南面を登りきって不動岩の頭に立つと、晴れていれば開聞岳、吹上浜、甑島などがよく見える。

①コーナーズ(12m、5.8)
 凹角の右寄りと左寄りの二本のラインが登られている。甘く見て取り付くと上部のフェイスで苦労する。

②ガバカンテ(28m、5.8)
 下部はホールドの多いカンテで楽だが、中間部のフェイスで苦労するかも知れない。一旦、T2に立ち、 右寄りにラインを取る。上部は傾斜が落ち、容易になる。

③ダークチムニー(28m、5.8)
 苔生したチムニーをバックアンドフットで登り、8mでガバカンテに合流する。

④フレッシュマン(28m、5.8)
 途中にある三角形の小ハングを左から越えるライン。ハングを越えると一端バンドに立ち、これから、右 上の凹角を伝う。

⑤オールドマン(28m、5.8)
 前述の小ハングを右から越えるライン。ハングの下を左へトラバースしてバンドへ這い上がる。ここで、 フレッシュマンに合流する。

⑥フィンガークラック(28m、5.10a)
 凹角からクラックに沿って登るラインであるが、使うホールドは大部分クラックの両側のフェイスにあ  る。バンドから上は、フレッシュマンに合流するか、真上のクラックを登る。なお、クラックの左側を  直上するラインも取られており、こちらは5.10b程度。

・センターフェイス(28m、5.9)
 フィンガークラックの途中から、右のフェイスを右上し、センタークラック上部へ抜ける。

⑦センタークラック(28m、5.10a)
 フェイスのほぼ真ん中から取り付く。クラックへ入るところと出口が嫌らしい。バンドから上は凹角を直 上する。

⑧猫だまし(28m、5.10b)
 全体に渡って難しい動作が続くが、特に3本目のボルト付近が高度感もあり核心部となる。そこで左右に 迂回せずにまっすぐ登るラインは相当に悪い。少しグレードが辛い感じを持つ。

⑨ダイレクトクラック(28m、5.9)
 一直線に伸びるワイドクラックをたどる。取り付き部分が難しいが、その上は、ホールドがしっかりして おり、見た目ほど悪くはない。

⑩三段フェイス(25m、5.10a)
 それぞれ数メートルのフェイスが上下に3面並んでいる。最下段のフェイスが最も難しい。中段はハング したクラック伝いに越える

⑪ヒドゥンチムニー(25m、5.7)
 チムニーへ入るところが嫌らしいが、入ってしまえば後は問題ない。

⑫デルタフェイス(25m、5.9)
 2段になったフェイスを登る。バンドへ立ち上がる所が第1の核心部。上部のフェイスはホールドが欠け そうで気持ちが悪い。

⑬浮き石クラック(25m、5.8)
 容易な凹角を登り、左のワイドクラックを辿る。クラックを抜けると傾斜が落ち、容易になる。

⑭チョックストーンクラック(25m、5.8)
 容易な凹角を登り、右のワイドクラックに入る。広いクラックの途中に石が詰まっている。上部で浮き石 クラックと合流する。

・アウトサイドコーナー(10m、5.10b)
 チョックストーンクラックを東面側に回り込んだ所の凹角にもルートがある(図の右端付近の裏側)。カ ンテ状を一段上ったところから実質的な登攀が始まる。上半部は強い引きつけが必要。

 

 

 

c. 不動岩東面
                                               ・ 東面の上部には約7mのほぼ垂直なフェイスがある。ここに至るには不動岩の東側、または北側を大きく 迂回する。

・リザードハング(5m、5.10c)
 ハングを正面から越える。指の力と腕力を要する。

・アンダーホールド(5m、5.10d)
 アンダーホールドを使ってハングを越えた後、左上した所で正対ムーブに移るところが難しい。

 

              

 

d. 仁王岩
                                               ・ 装路のすぐそばにある小さいスラブ状の岩。アプローチは道路から一歩進むだけ。ルート名は黒稜会が開 拓に着手してからつけたものである。

・フェイス左(7m、5.10b)
 フェイス左端より取り付き、上部で、「フェイス中央」に合する。ピンが打たれておらず、トップロープ 課題。

・フェイス中央(7m、5.10a)
 二本目のボルト付近のバランスが微妙。小さなカチを使うため、指先の負担が大きい。

・フェイス右(7m、5.9)
 右側のカンテ状部分の左側を登る。

・ウオームアップ(8m、5.5)
 右側のカンテ状を登る。トップロープを取る際に使われるが、ノーピンなので、慎重に。                

       

 

e. 観音岩
                                               ・ 不動岩の南面に正対したときに、左手に見える塔状の岩が「観音岩」である。観音岩にはリードできるラ インが3本拓かれている。

・モンキーマジック(5m、5.10c)
 最初の一手が核心。1本目のボルトにカラビナ一枚掛けでプリクリップしておく。小さい岩なので、ボル ダーとして登ることもできる。

・慈悲(6m、5.12a)
 最初は右後方にある丸い岩に乗って取り付いていた(5.11c/d)が、後に観音岩の本体だけを使って  登るようにラインを変えた。抜け口のフィンガークラックを取りに行く体勢が悪い。山本の最高傑作の  一つ。

・クレーター(5m、5.10d)
 上部でクレーター状のホールドを使用する。下部は楽だが抜け口が悪い。

 

      

 

f. 羅漢岩・布袋岩
                                               ・ 不動岩の北東にある「羅漢岩」と「布袋岩」には、小山田大氏によって高グレードのルートが拓かれている。布袋岩は羅漢岩に対面したときの右手側にある。羅漢岩に寄りかかるように大きく逆傾斜したフェイスと、その右端を走るハンドクラックにルートが設定されている。開拓当時はルートに名称が与えられていなかった。名前がないと不便なので地元クライマーが仮につけて呼んでいたものが結局そのまま現在に至っている。羅漢岩と布袋岩は別の岩の上にかぶさるように乗っていて、そのテラス状の岩の上から取り付く。小さい岩だが、ボルダーとして(ロープなしで)トライするとテラスから転げ落ちる恐れがある。トップロープでトライするときも、振られて地面、立木、人に衝突する可能性がある。

・フライカンテ(4m、5.11c)
 羅漢岩の向かって左端にある大きく逆傾斜したカンテ状部分を登るライン。フライカンテは開拓された当 初は12dであったが、その後「ディー」は「ビー」の聞き間違いとされ、さらに最近、小山田氏本人が  再登して11cに格下げされた。

・大ハング(5m、5.12c) 1996年  小山田 大
 かぶったフェイスを左上する。開拓された当時は13aとされ、長い間金峯山で最難の一本であった。こ  れも本人が再登して12cになった。

・ダイレクト(5m、5.13d/14a)
 羅漢岩の中央部をほぼ真直ぐに登る。これは初登者による命名。

・スパイダーハング(4m、5.12a)
 かぶったフェイスの右寄りから取り付いて左斜め上に乗り越える。このルートではクライマーがビレイヤ ーにぶつかる、あるいはクライマーの体重でビレイヤーが持ち上げられて岩にぶつかる恐れがあるので、 下地の岩にボルトを打ってロープの流れを変えられるようにしてある。そのボルトのハンガーが時々なく なってしまう。他の岩でも地面から手の届く位置にあるハンガーがなくなることがある。クライマーが持 ち去っているとは考えたくないが、「ボルトが多すぎる。」という趣旨の批判なのかもしれない。

・クレイジークラック(5m、5.10c)
 布袋岩に向かって右端を登る。ハンドサイズのクラックの手前側が右に大きく張り出したフレークのよう になっている。技巧派はハンドジャム、パワー派はレイバックで。

 

   

 

g. 地蔵岩
                                               ・ 羅漢岩の上にある小さい塔状の岩。東面に70㎝くらい張り出したルーフ状のハングが横切るようについている。その形が神社に掛かっている「しめなわ」を連想させるので、ルート名に使われている。高度差は無いものの、好ルートが集中しており、面白い登攀が楽しめる。北カンテ、西面はノーザイルで簡単に登下降できる。

・南カンテ左(6m、5.10a)
 柱のような南面の左側を登る。アンダーホールドを利用してハングを越えた後、上部のホールドを掴むと ころが核心。

・南カンテ右(6m、5.10b)
 カンテの右側を登る。上部はカンテを利用した不安定なレイバック。

・注連縄ハング左(4m、5.10b)
 ハングの左寄りを登る。岩角に膝の裏を絡ませると楽になる。ハングの乗り越しではカンテ状のホールド が滑りそうで怖い。

・注連縄ハング中央(5m、5.10d)
 東面の中央部を登る。ハングを乗り越えるには、丸く浅い穴の縁を右手で保持できるかどうかが鍵。その あと、右足をニーロックできると楽になる。

・注連縄ハング右(5m、5.10a)
 縦のフィンガークラックを取れば後は一気に身体が上がる。

 

     

 

h. 文殊岩
                                               ・ 不動岩の南面から向かって左手方向に進むと、歩道の左側にある壁が文殊岩である。文殊岩は、左上する クラックを境に2つのブロックに分かれている。ハング、フェイス、クラック、スラブが揃っている。

・ビギナーズフェイス(6m、5.6)
 傾斜が緩く、適当にラインが取れる。

・芋虫クラック(12m、5.7)
 下部はクラックに沿って登り、バンドへ立った所から右の緩いスラブに移って終了点へ。

・豆ハング(12m、5.8)
 南面フェイスの右端のカンテより取り付く。ハングの上にしっかりしたホールドがあり、これを利用して 一気に身体を引き上げるとカンニングに合流する。

・カンニング(12m、5.7)
 南面フェイスを右へ回り込んだ所の凹角を登り、ハングにぶつかる前で左のフェイスへ逃げる。次いで滑 りやすいフェイスを左上する。

・モンキーハング左(12m、5.9)
 カンニングの凹角から取り付き、凹角の上部を塞ぐ小ハングを左側から越える。ハングを越えてからのク ラックが意外と嫌らしい。

・モンキーハング右(12m、5.8)
 上と同じハングを右側から越える。

・サンドストーム(10m、5.7)
 東面の易しいフェイスを登る。ホールドが滑りやすいので注意。

 

  

 

i. 弥勒岩
                                               ・ 文殊岩取り付きの広場の南側にある小さい岩塔が弥勒岩の頭である。上部からでは目立たないが、下から見上げると高度があり、なかなか見栄えがする。岩の東側の踏み跡を辿ると容易に取り付きに立てる。好ルートが揃っており、人気のエリア。

・モスフェイスノーマル(15m、5.8)
 開拓当初は苔だらけだった。フェイス基部の小岩から取り付き、途中から左上するバンドを伝って岩の左 肩に抜ける。

・モスフェイス中央(15m、5.10a)
 左上バンドを使わず、フェイスの中央を登って頭に至る。ホールドが甘く、一汗かかされる。

・モスフェイス右ダイレクト(15m、5.10d)
 モスフェイス中央のラインと、右のリッジの間を登る。ルート全体に渡って細かいホールドが連続し、体 勢の保持が難しい。人気ルートの一つ。

・空間リッジ(15m、5.9)
 一旦、岩の東南側の基部にあるハングを越えて、東面と南面の境界をなすリッジに沿って登る。身体が空 中に浮いたような感覚になる。易しいながらお勧めルート。

・グリーンフェイス(10m、5.10c)
 開拓当初は、フェイス一面に苔が生えて緑色の粉がかかったような状態だった。登るに従って悪くなり、 終了点のホールドを取る動作が核心。

 

          

       

 

j. 弁天岩・蓮華岩・阿修羅岩・薬師岩・翁岩

 不動岩周辺に点在するこれらの小さい岩にはトップロープ課題が設定されている。ここでは図が現存するものだけを掲載する。

 

            

 

     

 

B.  大仏岩エリア                                           
a. 大仏岩                                               
 一の嶽と三の嶽の間にある駐車場から「西側遊歩道」を南西方向に約300m進むと「西展望台」に至る。展望台の入り口の右側から踏み跡に従って10mほど下ると大仏岩の東側に出る。そこから左に回り込むと南面の基部に至る。この踏み跡にはハゼの木があって、人によっては触れるとかぶれる。展望台はこの岩の上に乗るように設置されているが、老朽化して立入禁止になっている。西展望台直下の舗装道路から大仏岩に直接アプローチすることもできる。道路から展望台が見える位置より50mほど南の山側の木についている赤いテープの目印から薮に分け入って踏み跡を辿り、遊歩道に行き当ったところで左に進む。

・仏の掌(7m、5.10b)
 垂直よりやや逆傾斜した南面の右寄りを登る。3本目のボルト付近が核心部で、そのムーブはかなりトリ ッキー。このラインをトップロープでトライするときは、下部で落ちると左に大きく振られる。終了点か らの下降は、「右方カンテ(トップロープ課題)」の上半分をクライムダウンして東面側の歩道に降りる か、終了点から懸垂下降する。南面の他のラインも同様。

・毘盧遮那(8m、5.11b)
 南面の中央部を三角形の頂点目指して登る。出だしからホールドの配置が悪く、微妙なバランスを強いら れ、3本目のボルトまではグラウンドフォールの可能性がある。特に2本目のボルトにはヌンチャクでは なくて、ロープを通したカラビナを直接かけるようにすべき。核心部は3本目の左上にある小さいハング を越えてその上に立つまでの数手である。ここはボルトが近いのでZクリップになりやすい。トップアウ トするときの動作にも注意が必要。「びるしゃな」と読む。

・仏の足の裏(8m、5.10c)
 縦と横のエッジをうまく使い分けるときれいに登れる。3本目のボルト付近が核心。ここは初登時には正 対して登っていて、10dのグレードをつけていたが、後に楽なムーブが見つかって10cに格下げになっ  た。仏の足の裏の左側にも無名のライン(5.10cc程度)があり、現時点ではトップロープ課題。

・春の雨(20m、5.7)
 西面の右寄りを登る。開拓中に、にわか雨が降ったことからこの名前がついた。出だしの3mくらいが垂 直に近く、上部に行くほど傾斜が緩くなる。西面の他のラインも同様。終了点からのロワーダウンは難し い。ヌンチャクを回収するには、誰かにフォローで登って来もらうか、あるいは終了点から懸垂下降す  る。展望台が作られた岩だけあって、天気がよければ終了点から吹上浜と東シナ海がよく見える。

・春の雨スペシャル(20m、5.8)
 西面の中央部から取り付き、「春の雨」のラインに合流する。フェイス下部のホールドが小さくて少し難 しい。

・左方カンテ(20m、5.6)
 西面左端のカンテ状部分を登る。左方カンテのさらに左に回り込むと北面のフェイスに「リトルコーナー (5.5)」と「階段フェイス(5.7)」というトップロープ課題がある。なにしろ階段状なので、全くの  初心者でも登れてしまう。リトルコーナーは、右寄りの位置から取り付くと登攀距離が長くなるが、寄  りすぎると左方カンテと重なってしまう。

 

     

 

            

 

b. 坊主岩                                               
 駐車場から西側展望台方面に約200m進むと右手にベンチがあって、その奥に見える丸い岩の頭が坊主岩である。頭に向かって左側から薮に入り、右に回り込むように約15m降りると岩の基部に至る。遊歩道から見える部分は小さいが、その実体は10m以上の高さがあって、下部は大きくオーバーハングしている。発見時はハングに圧倒されたが、実際にトライしてみると5.10台だった。

・ゴッドサンクス(13m、5.10a)
 北面のハングを越えてフェイスを頭まで登る。ハングにはガバっとしたホールドが並んでいて、ワシづか みにして登れる。

・フィンガーポケット(13m、5.10c)
 出だしのポケットホールドから名前をつけた。核心部は左手で遠いフレーク状のガバを取るところ。足の 位置と身体の振り方に工夫が必要。そのあとは「ゴッドサンクス」の上部に合流する。

・デコボコフェイス(8m、5.7)
 左手にある小さい岩に乗って取り付く。傾斜は緩くホールドも豊富。

北東面には「リトルクラック(5.5)」、西面には「木魚フェイス(5.7)」と「線香クラック(5.6)」というトップロープ課題がある。

 

            

 

c. 帝釈岩                                               
 大仏岩直下の舗装路の谷側、吹上方面に向かっているときの右手に蔦がからみついている塔状の岩がある。見えている部分の高さは3mくらいであるが、斜面を降りて基部から見ると10m程度ある。

・フーテンフェイス右(8m、5.10a)

・フーテンフェイス中央(10m、5.10a)

・フーテンフェイス左(8m、5.8)

 

d. 孔雀岩                                               
 帝釈岩の北側に位置する高度6m程の岩。樹林帯の中にあるために、湿っぽい感じがしてすっきりしな  い。ルートはしっかりしたホールドを掴んでグイグイ登る面白さがある。

・孔雀明王(5m、5.10a)
 北西面の垂壁を登る。

・蛇の目ハング(6m、5.10a)
 南西面の二段になったハングを越える。見た目ほどの難しさは無い。

 

e. 普賢岩                                               
 大仏岩直下から舗装路を吹上側に50m程進み、右手(谷側)の薮に入って約50m下ると普賢岩の頭に出 る。基部に回り込むとほぼ垂直のフェイスが現れる。登攀対象は下部の10m程度。

・ダブルうんたら(8m、5.11a)
 やや逆傾斜したフェイスに2本のクラックが1.6m間隔で平行して左上している。ラインはこのクラック に沿っているが、浅いので大部分がフェイスのムーブになる。フェイスを登り切ると、岩の頭まで階段状 の緩斜面が続いている。ここにはボルトを設置していないので慎重に。「ダブルうんたら」の左にはトッ プロープ課題「うんたらカンテ(5.10d?)」がある。さらにその左方の北西面にも3本のトップロー  プ課題がある。

 

f. 夜叉岩                                               
 孔雀岩から約50m南下すると高さ4mほどの岩がある。試登したものの完成したルートはない。

 

      

 

    

   

 

 

C. 三の嶽(北峰)エリア                                               
 三の嶽は、駐車場からすぐ北に見える三角形の山。頂上直下とその周辺に登攀可能な岩が点在している。見つけたものの手をつけていない岩や、開拓を中断したままになっている岩もある(閻魔岩、阿弥陀岩、毘沙門岩など)。

 

           

 

a. 金剛岩                                               
 駐車場から舗装路を横断して三の嶽頂上に向かう歩道を数分登る。頂上の北東側の薮を約10m進むと東方に切れ落ちた岩壁(高度差約8m)の上に出る。そこが金剛岩の頭。左右の薮を降りると岩の基部に至 る。

・入門ルート(7m、5.6)
 フェイスの左端に引かれたライン。

・始めの一歩(8m、5.9)
 名前のとおり、最初の一歩が核心。上部はしっかりしたホールド伝いにぐいぐいと垂壁を登る。

・中盤の数手(8m、5.9)
 上と同様に中盤の数手が核心。

・手筋(8m、5.6)
 傾斜がきついものの、動作を間違えなければ見た目よりも簡単に登ることができる。

・階段(8m、5.5)
 右上する凹角にそって登り、途中から左上する。

・クラック(8m、5.8)
 ハンドサイズのクラックを登り、階段に合流する。

・初級(10m、5.7)
 上記のルートより一段下がった所が取り付き。カンテにそって登り、上部は容易な階段状。
 
・中級(10m、5.10a)
 右のカンテにそって小凹角を登る。取り付きのハングを乗り越し、凹角に入る部分が核心。凹角の下部も 結構悪い。

・桂馬の高飛び(6m、5.10a)
 中級のラインを右へ回り込んだ所の凹角を登る。見た感じよりも難しい。

 

       

 

b. 三の嶽北壁                                               
 高度差がおよそ80mもある岩壁が三の嶽北面の上部に聳えている。麓の道路からよく見えているにもかかわらず、黒稜会が開拓するまでは全く手付かずの状態だった。北壁の基部へのアプローチは少々複雑である。駐車場から道路を挟んで北西にある石碑の裏から踏跡を辿る。左に杉の植林、右に雑木林を見ながらそれらの境界に沿って100m弱下ると踏跡が右に分岐している(赤テープが目印)。そこから右の雑木林に入る。この分岐を見落として植林の中を下ってしまわないように注意する。雑木林の中を進むと、右手に4mくらいの岩が現れる。岩の下を巻くと再び4mくらいの岩、その先にはスラブ状の岩があり、すべて下側を巻いて進む。次に現れる7mくらいの岩の基部に沿って右上に15m程進むと北壁の末端に至る。迷わなければ、駐車場から15分以内に到達できる。

・苺狩り(60m、5.8)
 前述した北壁の末端から岩の基部に沿って約40m進んだところが取り付き。最初の15mくらいが急なフ ェイスで、その上は傾斜が落ちる。2ピッチ目は広いスラブを右上し、左から伸びるブッシュの末端付近 で「葡萄狩り」のラインに合流する。

・きのこ狩り(20m、5.9)
 「苺狩り」の右のラインを登る。そのままスラブを右上すれば「葡萄狩り」につながる。以下の2本も同 様。                                               
・紅葉狩り(20m、5.8)
 「きのこ狩り」の右のライン。下から2本目のボルトがあったはずの場所50㎝四方くらいの範囲の岩が  白くなっていて、ボルトが見当たらない。ボルトもろとも崩落したものと思われる。現時点(2008年   3月)では復旧していない。

・落穂拾い(20m、5.8)
 「紅葉狩り」のさらに右を登る。

・葡萄狩り(120m、5.7)
 易しいスラブ状の岩が4ピッチにわたって続くルート。1ピッチ目と3ピッチ目の中盤はラインが分りに くい。4ピッチ目の緩いスラブに向かって立つと、左後方に桜島、右に東シナ海が見える。スラブを登り 詰め、右手の樹林に入ったところで終了。雑木林の中の踏跡を南に進むと駐車場に至る。

 

         

 

c. 念仏岩                                               
 1年前の台風のときに樹林が剥がれ落ちて岩が出現した。駐車場の北東にある空地の奥にある踏み跡に入る。斜面を少し登ってから右に巻くと、その先は急な下りになる。樹林の中を約50m下って左に折れる と、スラブ状岩壁の基部に至る。

・念仏スラブ(40m、5.9)
 縦に長いスラブのやや左寄りを登る。途中にある草付きのバンドでピッチを区切ることもできる。

 

             

 

D. 屏風岩エリア                                               
 二の嶽の東側の樹林の中に岩が点在している。大坂側から登っていくと、南西に張り出したヘアピンカーブから約300m進んだところの道路の山側(左手)にコンクリート擁壁がある。そこから50mほど戻ったところから山側の樹林に入り、踏み跡を辿って行く。途中に炭焼窯の跡と思われる円筒状の穴がある。正面に6mくらいの垂直の岩が現れたら、その岩の基部で右に折れて、30mくらい進むと左手に塔のような岩が見える。これが「柱岩」である。そこから20mくらい先に「屏風岩左岩壁」、次にハング帯を挟んで「中央壁」がある。さらに15mほど先に「右岩壁」がある。その先は小さな谷になっていて、落石防止の金網が張られている。柱岩の裏に回ってさらに50mほど登ると「扇岩」に至る。最近あまり人が通っていないせいか、アプローチの踏み跡がわかりにくくなっている。
 右岩壁はほぼ垂直で、中央部に小ハング帯を持つ。10本のルート(バリエーションを含む)が完成している。中央の最も高度差があるところを直登するラインは完登されていない。トップロープでトライした感触では5.12の後半はあると思われる。中央壁は、下部は垂直で上部は80度程度のフェイスになっている。リードできるルートは1本だけだが、現時点でこのエリアでは最も高度差がある。左岩壁は傾斜の緩いフェイスで、5.7から9程度のルートがある。中央壁と左岩壁の間にはハング帯がある。ハング状の部分は岩が脆いので、いまのところ登攀を試みていない。柱岩にはリードできるルートが1本と、未登のフェイス、ハングがある。扇岩は下部はホールドが乏しいスラブ、上部はかぶったフェイスになっていて、高度差20mくらいのスケールがある。5.12クラスのルートが作れると思われるが、現時点でルートは拓かれていない。トップロープをかけるときは、左岩壁と中央壁は岩に向かって左側から巻いて上に出る。右岩壁は右から巻く。トップロープの支点は木から取るので、長いスリングか補助ロープが必要(一部のルート には下降用のボルトがある)。

a. 屏風岩右岩壁

・アイアン(7m、5.7)
  右端付近の傾斜が緩い部分を登る。ボルト間隔が広いので慎重に。

・ブロンズ(9m、5.10b/c)
 小ハングを越えたあとで油断すると落ちる。

・シルバー(10m、5.11a)

・ゴールド(9m、5.11b)
 出だしの数手のバランスが悪くて難しい。

・プラチナ(9m、5.11b)
 小ハングの直下で右に寄って、越えるところで左のクラックを使う。

・黄銅鉱(9m、5.9)
 ゴールドとプラチナの易しい部分をつなげて登るバリエーション。

・プラチナゴールド(9m、5.11c)
 ゴールドから取り付いて、ハング帯から上はプラチナにつなげる。それぞれの難しい部分を登るバリエー ション。

・イリジウム(6m、5.11b)
 ハング帯の左端付近を越える。

・ヘビーメタル(6m、5.11a)
 右岩壁東面と東南面の境界にあたるカンテ状の部分。上部が難しい。

・アルミ(6m、5.9)
 東南面の中央部を登る。

 

b. 屏風岩中央壁

・ラマダン(20m、5.10d)
 イスラム教の断食月(ラマダン)に完成した。下部の垂壁(約5m)を登ってバンドに立つまでが難し  い。その上は5.9程度の快適なフェイスが続く。

 

c. 屏風岩左岩壁

・ハングアップ(15m、5.11b)
 中央壁と左岩壁の間にあるハング帯の下部を左上し、左岩壁のフェイスに抜けてそのまま直上する。左足 のトウフックが重要。初登時はハングの基部にある台形の岩に乗って取り付いた。地面から取り付くよう にすればもっと難しくなる。

・ひとりぼっち(15m、5.9)
 ハングの左より取り付き、ほぼ直上する。

・松の木スラブ(15m、5.8)
 一段登ったところからラインが左右に分かれる。どちらも大差なし。

 

 

 

      

 

d. 柱岩

・トシちゃんクラック(15m、5.9)
 この岩は柱のように独立していて麓からも見える。下部3分の1は右上するバンドに沿って登り、そこか ら上はクラックを辿る。クラックは上に行くほど広く、最上部はチムニー状になる。数年以上再登されて おらず、クラック内部に草が生えてしまっている。

 

                 

 

E. 矢杖エリア                                               
 金峯山を南麓から眺めたときに、中腹よりやや下部の樹林の中に頭を出している岩が見える。その岩は特徴のない広い尾根上にあって、近づくと樹林に隠れてしまう。目標が定まらないので、到達するまでに数回試行錯誤した。探索の過程で樹林の中を徘徊したので、目標の岩の他にもいくつかの岩を発見できた。それらの中の一つが6くらいの大きな張出しを持っていて、後に「矢杖ボルダー」として開拓されることになる。

 

a. 三蔵岩・悟空岩                                               
 鹿児島市側からアプローチする場合、県道20号線から矢杖方面に分岐する道に入り、すぐ先にあるT字路で「金峰山登山口」の表示に従って山側の細い道路を進む。観音堂入口に至ると右手に大きな岩が見え、その先に数台分の駐車可能スペースがある。この岩にはボルダー課題がある。観音堂入口を通過すると舗装が切れて砂利道になる。路面は荒れているが普通車でもぎりぎり通行できる。砂利道の終点は少し広くなっていて数台の駐車が可能。ここに車を置いて登って来た道を引き返すと、すぐ左手に林業用の道が分岐している。この道は岩へのアプローチと無関係だが間違いやすい。そこから20mくらい先に左に分岐する道があるのでそちらに入る。分岐から150mくらい進んだところで左の斜面にある踏み跡に入る。左前方に矢杖ボルダーが見える。ボルダーの右側を通過し、さらに約100m登ると二つの岩が並び立っている。高い方を三蔵岩、低い方を悟空岩と名付けた。これらの岩にはトップロープ課題が合計数本設定されている。小山田大氏によるものも1本ある。ただし、最近の数年間に三蔵岩と悟空岩を登った人はいないと思われる。これらのルートがどのような状態になっているのかは不明である。

 

b. 金閣岩・銀閣岩                                               
 砂利道の終点から北に伸びる谷の東側斜面に入る。最初は明瞭な踏み跡があるが、奥に行くと間伐された木が放置されていて歩きにくくなる。約200m進んだところの右手の斜面に、二つの岩が谷側にほぼ垂直な面を向けて立っている。高さ約15mのやや逆傾斜したフェイスを持つほうを金閣岩、10mくらいで中間にバンドがあるほうを銀閣岩と名付けた。トップロープによって試登されているが完成したルートはない。金閣岩・銀閣岩の周辺にはボルダーがたくさんあり、「沢エリア」として公開されている。

 

     

 

F.  その他の孤立した岩

a.ゴマメ岩

 屏風岩エリアから山頂方面に約250m進んだところの右手、道路のすぐそばに高さ4mくらいの孤立した岩がある。道路からは見えない北面に高度差が5mくらいのトップロープ課題が2本設定されている。ほとんど登られていないので、薮の中に埋没しつつある。

 

           

 

b.虚空蔵岩                                               
 大坂側から舗装路を登っていくと、南西に張出したヘアピンカーブがある。このカーブから約100m手前の山側の斜面に高さ約6mの岩がある。おそらく初登された後には誰も登っていない。

・虚空遊泳(5m、5.10b)
 やや逆傾斜したフェイスを、左右に身体を振りながら登る。これの左側に試登しただけで未完成のライン がある。

 

           

  

 

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